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2012/03/12

ついったーSSまとめその2

ついったーの診断メーカーでお題出して作った超短編がまた10作くらいたまったので、ログをここにまとめてみました。ログその1はこちら
大体140字に収まる程度の内容ですが、2回に分けて投稿したものもあります。また、少しだけ修正を加えたものもあります。
オリジナルだったり二次だったりしますが、人物名は明記していませんので、お好きなキャラクターを想像していただければいいかな、と思います。

ちなみに、こちらのサイトでお題を出して書きました。

恋愛お題ったー 
http://shindanmaker.com/28927

お題を使って創作話
http://shindanmaker.com/63290

ツイッターのIDがなくてもできますよー。ネタに困った時などにどうそ(*´∀`)

140字くらいに収めようとした結果いろいろ説明不足な感じはありますが、お楽しみいただければ幸いです。
機会があれば、普通のSSに練り直してみようかな。再利用ですゲヘヘ(すみません)

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「おはようございます」柔らかな光に包まれたカウンターの向こうで微笑む瞳。目が醒めますよ、と差し出されたグラスの中で、氷が澄んだ音を立てた。「ずっとここに?」「お客さん残して帰れません。それに……」途切れた言葉の代わりに、瞳が真っ直ぐに向けられ、思いがけず胸が高鳴った。


閉店間際のカフェには殆ど人がいない。窓際の席に座って、俯いて目を閉じていた。「どうしたの」目を開くと、見覚えのある靴が見えた。視線を上げれば、靴よりもずっと見慣れた笑顔。「来ないと思った?」問われて首を振る。あなたは必ず来てくれると信じていた。これから別れ話をするのだとしても。


ベッドに横になったまま、じっと時計を見つめる。秒針の動きが遅く感じられる。眠ってしまいたいけれど、目を閉じると思い出してしまう。あの人の眼差しを、優しく呼ぶ声を、肩を抱く腕の力強さを。記憶をなぞりかけては何度も振り払う。これ以上、近づいてはいけない。分かってるのに。


目覚めたのは深夜だった。傷の痛みはないが、熱を感じる。こんな熱さを、自分の中に感じたことはなかった。あの子に出会ってからも、ずっと。感じなかったのではなく、気づかなかったのだと今になって知った。ただゲームを楽しんでいるだけだと思っていたのに。裏切られた思いだ。


「放して」と訴えるのを無視して、いっそう強く抱きしめる。鼓動だけが、暗い街角に響いた。強張っていた身体から力が抜け、嗚咽混じりの声が「こんなこと、許されない」と呟いた。知っている。けれどあの日、雷に打たれたように、君を愛してしまった。もう遅い。だから、好きにする。


公園から帰った息子が、見慣れないキノコを持っていた。「毒かも知れないんだから。どこに生えてたの?」「ケンちゃんが持ってた」数日前から行方不明の友人の名前だ。「砂場にいたよ。ママ、ぼくが幼稚園に行ってるあいだにケンちゃんちに行ったってほんと?ケンちゃんのパパと何して遊んでたの?」


小さな街灯がひとつ、月のように照らす坂の途中で、並んで歩いていたはずの君の姿がふと見えなくなった。次の瞬間「振り向かないで」という囁きが背後から聞こえた。その言葉の切迫した様子に逆らえず、黙って坂を上る。こんな物語をどこかで聞いた気がするな、と思いながら。今振り返ったら、君はどんな顔をしているのだろう。考えていると、微かに啜り泣く声がした。今すぐ振り向きたい。衝動をおしとどめるように、あたたかい手が背中に触れた。押されるように、再び坂を上る。街灯が照らす坂のてっぺんに着いたら、振り向いて君を抱きしめよう。


あなたの罪はあまりに重く、傷はあまりに深かった。自分を支え切れずに崩れていくあなたを見ているのが辛かった。私があなたの力になれないことを思い知らされることも。だから突き放した。私は逃げた。そして願った。私に癒せなかったあなたの傷が、他の誰かの手で癒えることがないように、と。


眠れなかった。息さえも殺してあなたの寝息を聞き、寝顔を見つめていた。カーテンの隙間から見える景色はほのかに明るくなっている。穏やかになったように見える寝顔に安堵した。私は問う。なぜ助けてくれたの。あなたは私の敵だった。私はそれを知らなかったけれど、あなたは知っていた。それなのに。
あなたに裏切られたと思った。二度と信じてはいけないと。今も、これは罠なのではないか、と、頭の片隅で囁く声がする。従うべきか判断がつかないまま、あなたの手にそっと触れた。眠ったまま、あなたは握り返してくれる。涙が溢れた。罠でも構わない。他の誰でもなく、あなたの罠なら。


「ねえ、まだ?」テーブルの上に身を乗り出した彼女の、不満げな声がする。「もう少し待ってろ」「お腹すいたよー」「図書館では静かに」「ちぇ」唇を尖らせて渋々座り直すと、自分の本に目を戻す。「焼肉百選」。清楚な美人なのに、実に残念だ。安心しろ、その付箋の店は予約済みだ。


春の日差しに包まれた公園のベンチに座っていると、夜なんて永遠に来ないように思える。だけど私はそれを望まない。幸福そのもののような明るくあたたかい場所にいてさえ、私は夜を待ち望んでいる。闇の中でただひとつ輝く星のようなあの人を、私は焦がれるほどに欲している。

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